津島で13年ぶりに田植踊 福島県浪江町の南津島郷土芸術保存会 学生と継続へ
南津島の田植え踊りを披露する南津島郷土芸能保存会のメンバーら
2023/10/23 09:51
福島県浪江町津島地区の南津島郷土芸術保存会は22日、町内の津島中で開かれた「標葉(しねは)祭り」で、津島地区に伝わる伝統芸能「南津島の田植踊」を披露した。地元での披露は約13年ぶりで、伝統の口上や笛、太鼓の音を古里に響かせた。
南津島の田植踊は、会員が稲作の様子を唄と踊りで表現する。旧正月に地区内の家を回り、悪霊払いや五穀豊穣(ほうじょう)、無病息災を祈願してきた。
東京電力福島第1原発事故により会員が避難したことで継承が難しくなっていたが、津島地区出身で東北学院大文学部3年の今野実永(みのぶ)さんを中心に同大の学生が南津島郷土芸術保存会のメンバーとともに練習を重ね、伝統をつないできた。
今野さんは今回、裏方として舞台を支えた。「踊りを通して、メンバーの心がつながっていくのを感じた」と振り返った。保存会の三瓶専次郎会長は「津島で踊りを披露できたことが何よりもうれしい」と語った。
保存会と東北学院大の学生は今後も津島地区を中心に踊りを披露する予定。