自動車産業を支えるＫＦポリマーを製造するプラント

 

2024/01/11 09:59

 

　外部からの技術の導入に頼ることなく独自の発想で自社で商品開発を続け、事業を拡大してきた。製品の大部分をいわき事業所で製造しており、一部本社機能もいわき市に置く。本県に根差した企業だ。

　製造するＫＦポリマー（ポリフッ化ビニリデン樹脂）は、電気自動車やハイブリッド車など環境対応車に搭載されるリチウムイオン二次電池の接着剤などに使用されている。世界市場で４０％以上のシェアがある。１９７０（昭和４５）年にいわき市で日本初の工業生産を開始した。自動車が環境対応車に急速に移行する中、大きく貢献している。

　製造しているエンジニアリング・プラスチックのＰＰＳ樹脂は金属の代替材料として使われている。自動車や携帯電話端末など軽量、小型化が進む身近な製品に活用されている。看板商品とも言えるのは家庭用ラップ「ＮＥＷクレラップ」だ。この他、浄化用活性炭、工業用断熱材向けの炭素製品などを作り、国民生活に密接に関わっている。

　人材育成や健康増進などの分野で地域貢献活動に力を入れている。木田淳いわき事業所長（５９）は「今後も地元のいわきでより良い製品作りに力を尽くす」と意気込んでいる。

 

■メモ

▽設　　立＝１９４４（昭和１９）年６月

▽いわき事業所長＝木田淳

▽従業員数＝１６５５人

▽住　　所＝いわき市錦町落合１６

▽電話番号＝０２４６（６３）５１１１