エコノミークラス症候群予防へ、投稿動画で体操紹介 いわきのNPO「クラップス」 能登地震被災者に思い寄せる

 

2024/01/16 14:40

 

 チアを通じて地域振興に取り組むいわき市のNPO法人クラップスは、エコノミークラス症候群を防ごうと動画投稿サイト「ユーチューブ」でタオルを使った体操を紹介している。車中泊などで長時間体を動かせないと同症候群を発症し、時として命を奪う危険がある。能登半島地震の被災地でも発症が懸念され、動画が予防に役立つとみられる。

 動画は6分程度で、2016(平成28)年4月の熊本地震時に投稿した。クラップスチアリーダーズの子どもたちが出演する。タオルを使って足をマッサージしたり、背中や肩を伸ばしたりして、全身を動かせる内容になっている。

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生後、クラップスチアリーダーズの子どもたちは「元気届け隊」として東北各地の避難所を訪問した。タオルを使った体操をしたり、マッサージをしたりと定期的に足を運び、交流を深めた。

 月日の経過とともにメンバーが替わり、訪問の経験がない子が増えていった。熊本地震の被災地で車中泊によるエコノミークラス症候群が問題になり、動画を投稿したが、代表の石河美奈さんは「記憶の風化を防ぐ狙いもあった」と意図を語る。「震災時、避難所で家族を津波で亡くした人の話を聞いた。当時の記憶がフラッシュバックして(能登半島地震の)報道を見られていない」と打ち明けつつ「心がふさぎ込み、体操する気分にならないかもしれないが、動画が命を守る行動につながればうれしい」と願った。

 動画のURL

https://www.youtube.com/watch?v=bubDJDVDkcM

 

関連記事

ページ上部へ戻る