地域医療の学び広がる かしまホーム(福島県いわき市)に首都圏から次々と医学生

 

かしまホームに住み込み実習や研修に励む河野さん

 

2024/02/04 21:19

 

 福島県いわき市のかしま病院が運営する宿舎・交流拠点「かしまホーム」に住み込み、地域と医療を学ぶ医学生や研修医が増えている。同病院は地域に根差した研修体制を確立しており、首都圏の医学生らを中心に学びの輪が広がっている。

 現在、杏林大(東京都)医学部5年の河野龍之介さんが生活している。1月15日から2月9日までの日程で、同病院が中心となって地域密着の医療を模索する「いとちプロジェクト」のメンバーらと共に実習や研修に励んでいる。

 杏林大医学部には5年時に、「クリニカルクラークシップ」という実習科目があり、首都圏の医療機関以外に地方の医療機関でも、より実践的に学ぶ項目があるという。河野さんは「(実際に体験した)大学の知人からかしまホームの良さを聞いた。学ぶからには地域や患者に寄り添える環境に身を置きたい」と実習先に決めたという。

 期間中、医師やスタッフ、地域住民らと交流を深める。訪問診療のサポートや見学、地域医療とは何かを課題に設定して考える「まち歩き」などにも参加しており、「人も環境も素晴らしい。ここでの学びを大学に戻ってからまた知人に広めていきたい」と話した。同病院診療部長の中山文枝さんは「実習では、健康問題の管理だけでなく地域住民の暮らしにも寄り添える場になっている」と話す。

 

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