13年ぶりに響く楽器の音 休園の小高教会幼稚園でワークショップ 福島県南相馬市

 

nappoさん(左から2人目)のサポートを受けて演奏する児童ら

 

2024/02/13 10:10

 

 福島県南相馬市小高区の小高教会幼稚園に眠っている楽器を使った楽曲制作ワークショップが12日、小高区内で開かれた。同園は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で休園しており、約13年ぶりに楽器の音色が響き渡った。

 楽曲を制作したのは南相馬市のシンガー・ソングライターnappoさん。小高区に関わる曲作りを目指す中、昨年11月ごろ、休園中の同園を訪れて眠っていた楽器を見つけた。震災前に同園のマーチングバンドなどで使っていた太鼓やトライアングル、鈴。13年ぶりの音色を小高の曲に取り入れようと録音ワークショップを開いた。

 nappoさんが代表の歌やダンスのグループ「トモダチプロジェクト」のメンバーの地元小学生や卒園生など子どもから大人まで約30人が参加。緊張した面持ちで曲に合わせて演奏し、美しい音色を奏でた。

 曲は「まいれまいれ」という題。小高の風景や未来に進むメッセージをサンバのリズムで高らかに歌う。nappoさんは「震災を経験しながら希望を見いだして地域の良さを大切に前に進んできた南相馬市を歌った。楽器はとてもいい音で響きを残したかった。各地に広がって背中を押す曲にしたい」と話した。

 鈴の演奏に参加した小高小3年の河村あかりさんは「同じリズムで演奏するのが難しかった。昔楽器を使っていた幼稚園の人に届いてほしい」と話した。曲は3月30、31の両日に小高区の浮舟文化会館で開催予定のトモダチプロジェクトの公演で披露される。

 

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