30日に商品扱う店舗オープン 福島県浪江町の大堀相馬焼「陶吉郎窯」

 

30日オープンする新店舗で作品を解説する近藤さん(右)

 

2024/06/25 10:37

 

 福島県浪江町大堀地区に復活した大堀相馬焼「陶吉郎窯」の商品を扱う店舗は30日、工房の隣に開店する。東日本大震災と東京電力福島第1原発に伴う避難を経て、13年ぶりに古里で営業を再開する。会津漆器と連携した作品など趣向を凝らした焼き物も展示・販売する。24日、現地で関係者向けの内覧会が開かれた。

 陶吉郎窯は原発事故により福島県いわき市に避難し、販売店も移した。地域の伝統芸能を守ろうと、いわき市と浪江町の2拠点での活動を決めた。今年3月に窯を、かつてと同じ場所に戻していた。

 大堀地区といわき市で手がけた皿や器など約400点を新店舗で展示・販売する。新たな試みとして、会津漆器の作家が大堀相馬焼の焼き物に漆で馬の絵を描いた作品も扱う。今後も現代的な新しい大堀相馬焼を作る計画だ。

 内覧会には吉田栄光浪江町長、伊沢史朗双葉町長ら約20人が参加。窯元の近藤学さん(70)が作品を解説し、「大堀の象徴的な場所となるのを目指していく。避難している窯元が帰還するきっかけをつくり、再び産地となるよう努める」と誓った。

 

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