【ふくしま創生臨時支局・常磐湯本】着物でフラ、湯本温泉発信 福島県いわき市で訪日客誘致の取り組み本格化

 

着物姿でフラダンスを披露するフラ女将

 

2024/08/25 10:24

 

いわきあろはの新デザインをお披露目したパーティー。スクリーン右が吹の湯旅館、左がうお昭のデザイン

 

 

 福島県いわき市やいわき観光まちづくりビューローは今年度、いわき湯本温泉などへのインバウンド(訪日客)誘致の取り組みを本格化させる。12月に台湾で開かれる商談会に観光・宿泊関係者とともに参加し、現地の旅行会社にいわきの魅力をアピールする。

 

 いわき湯本温泉の女将(おかみ)らでつくる「フラ女将」は既に、動画投稿サイト「ユーチューブ」などを通じて着物でフラを踊る様子を国内外に発信している。女将でつくる湯の華会会長の小井戸文恵さん(59)=旅館こいと=は「全国にも珍しい女将のフラは、外国人客に喜ばれるはず」と意欲を見せる。

 市によると、日帰りと宿泊を合わせたいわき湯本温泉の観光入り込み客数は、震災発生前の2006(平成18)年は62万69人に上ったが、2023(令和5)年は21万2353人にとどまった。

 いわき湯本温泉の女将らが2015年に「フラのまち宣言」を発表してから今年で10年目に入った。東日本大震災、東京電力福島第1原発事故、新型コロナ禍の苦境に遭っても笑顔を絶やさず、フラ女将としておもてなしをけん引してきた。

 24日夜、JR湯本駅前の「あとち広場」で「フラのまちオンステージ2024」が開かれ、フラ女将5人がトリを飾り、トレードマークの着物姿で3曲のフラダンスを披露した。震災と原発事故で女将が感じた不安や、いわきで生きる決意を歌詞に込めたオリジナル曲「夢花涙雨」を最後に踊ると、観客から大きな拍手が湧き起こった。

 

■温泉むすめ「いわきあろは」誕生日 新デザインお披露目

 いわき湯本温泉をPRする「温泉むすめ」のキャラクター「いわきあろは」の生誕を祝う「あろはちゃんパーティー」は誕生日の24日、温泉街の旅館こいとで開かれ、「いわきあろは」の新デザインがお披露目された。

 新デザインは湯本温泉のうち吹の湯旅館と、うお昭をPRする2種類。吹の湯は仲居をイメージした姿、魚料理が自慢のうお昭は魚を持った姿が特徴。吹の湯は25日から、うお昭は準備が整い次第、パネル展示やグッズ販売を始める。

 パーティーはファン有志が企画し、県内外から約30人が参加した。神奈川県平塚市から訪れた会社員柴田進さん(38)は「『いわきあろは』をきっかけに湯本温泉のファンになった。また来たい」と話した。

 

■地域の魅力新聞に 「創生臨時支局」常磐湯本に開設

 福島民報社は24日、いわき市常磐湯本町に「ふくしま創生臨時支局」を開設した。28日まで地域の情報を発信し、温泉地を盛り上げるとともに、新聞の魅力を伝える。

 初日は、JR湯本駅前のあとち広場で開かれた「フラのまちオンステージ」に特設ブースを構えた。スマホやタブレットで福島民報の紙面が見られるオンライン新聞などのデジタル会員登録者らを対象に、特別号外や記念日新聞をプレゼントした。民報オリジナルグッズなどが当たるお楽しみ抽選会も開いた。

 25日午前11時から午後1時まで、旅館こいとで開かれる「温泉むすめ」のキャラクター「いわきあろは」のグッズ販売会にもブースを設け、特別号外などを発行する。

 取材拠点は、いわき湯本温泉旅館協同組合事務所2階。取材やオンライン新聞の問い合わせは臨時支局 電話080(2825)0063へ。

 

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