小型ロケット発射に成功 福島県南相馬市のアストロエックス
発射台を勢いよく飛び出す小型ロケット=25日午前8時12分、南相馬市小高区
2024/08/26 10:43
人工衛星打ち上げ用ロケットを開発している福島県南相馬市の「AstroX(アストロエックス)」は25日、市内小高区で小型ロケットの発射実験に成功した。同社によると、ロケットを陸上から海上に向けて打ち上げる実験は県内初。
午前8時12分、海岸近くに設置した発射台から海側に向けて発射し、約10秒で高度336メートル(速報値)に到達した。パラシュートを開いて太平洋上に着水し、海上の警戒に当たっていた漁船が機体を回収した。
24日に打ち上げる予定だったが、機材トラブルで航空管制官などに予告していた時間を超えてしまい延期していた。最高技術責任者の和田豊さんは「前日の問題点を修正し、時間通りに進められた。百点満点の成功」と話した。
社員教育や宇宙開発に対する市民の理解醸成を目的に打ち上げた。関係者や地域住民が見守った。小田翔武社長は「期待に応えられてほっとしている。この地を宇宙産業の集積地にしていきたい」と語った。
機体はプラスチック製の固体燃料を液体の推進剤で燃やす小型のハイブリッドロケット「kogitsune(こぎつね)」。エンジンには県立テクノアカデミー浜の部品を使っている。全長は184センチで、推進剤が充塡(じゅうてん)された際の重さは約9キロ。