寒さに負けず「水祝儀」 花婿おらず、青年会長が名乗り 福島県いわき市平沼ノ内の愛宕神社
水祝儀で冷水を浴びせられる根笹さん(中央)
2025/01/14 10:41
新婚の花婿に冷水を浴びせて無病息災や家内安全、豊漁・豊作を祈願する奇祭「水祝儀」が13日、福島県いわき市平沼ノ内の愛宕神社で催された。今年は地区内に対象者がいなかったため、未婚の青年会長が地域を代表して臨んだ。
江戸時代から約400年続くとされる市の無形民俗文化財。地元出身者からも探したが、見つからなかった。青年会長の根笹圭悟さん(25)が「途絶えさせてはならない」と名乗りを上げた。
浴衣1枚に身を包んだ根笹さんがしめ縄に囲まれた土俵に上がると、未婚男性4人が井戸水を浴びせた。根笹さんは「地区の皆さんが今年を無事に過ごせれば、水をかぶったかいがある」と安寧を願った。
区長の鈴木昭一さん(68)は「50年ほど参加してきたが、花婿がいなかったのは今回が初めて。今後は沼ノ内地区だけでなく、広く市内から参加者を探したい」と話した。