福島県双葉町にコミュニティー農場 東の食の会 東日本大震災と原発事故の被災地活性化へ

 

食を通じた地域活性化に向け、話し合いを進める高橋専務理事(左)と片山さん

 

2025/01/22 09:51

 

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に伴う被災地で食産業を支援している「東の食の会」は、福島県双葉町にコミュニティー農場を設ける。エヌエヌ生命保険(東京都)の助成を受けて取り組む。町出身の飲食店経営者を中心に生産者や住民らが高付加価値の農産物を栽培し、復興へと歩む被災地の活性化につなげる。

 エヌエヌ生命保険は中小企業を応援しており、被災地の産業復興を後押ししようと昨年12月に東の食の会への助成を決めた。東の食の会は約1千万円を活用して約1年間、双葉町を中心に浜通りの食の生産者を支える事業を展開する。

 双葉町の農場は町出身で、東京都で飲食店を経営する高崎丈さんが所有する。ハーブや根菜類などを生産し、ブランド食材を目指していく。外国人を含む観光客が農業に親しめる場にもする方針だ。看板などアート作品も掲げ、将来的な観光地化を見据える。

 3月にもキックオフイベントを開す予定。東の食の会専務理事の高橋大就さん、エヌエヌ生命保険事業開発部の片山あゆ美さんが詳細を詰めている。高橋さんは「(原発事故に伴う)避難指示解除まで最も時間がかかった双葉町のにぎわいを取り戻したい。『双葉に行きたい』と思うワクワクした場所をつくる」と決意する。

 東の食の会とエヌエヌ生命保険は、浜通りの酒の海外販路開拓にも乗り出す。北米などに輸出し、酒のおいしさや安全性を広く発信する。現地で開催されるイベントなどで、クラフトサケを中心に売り込む。

 浜通りの水産加工業者と連携した商品開発や、東京都の飲食店での浜通りの食材を使ったメニューの提供なども企画している。

 

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