3月までに国、福島県と避難指示解除日程を協議 堆肥製造施設など一部区域について 飯舘村長示す
2025/02/03 10:53
福島県飯舘村の杉岡誠村長は2日、東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域の長泥地区の特定復興再生拠点区域(復興拠点)外で整備が進む堆肥製造施設など一部区域について、3月までに国や県と解除日程を協議する考えを示した。具体的な解除時期は従来通り「今年春ごろを目指す」としたが、手続きは最終段階に入った。
2日に村交流センターふれ愛館で開かれた地区住民説明会終了後、明らかにした。説明会は冒頭を除き非公開。杉岡村長によると、日程協議を村側に一任してもらえるかを住民に諮り、了承を得たという。
住民が居住しない土地に限り安全を確保した上で避難指示解除を認める「土地活用スキーム(枠組み)」を適用する。解除を目指すのはイイタテバイオテック(飯舘村)が運営する堆肥製造施設と資材置き場計約2・7ヘクタールの他、施設向けの燃料となる資源作物の栽培農地約3・5ヘクタール。製造施設は1月に工事が完了し、試験運転中だという。
国は人の居住を想定していない土地の避難指示解除の要件を①年間積算線量が20ミリシーベルト以下に低下②土地活用を行う者等によって必要な環境整備が実施されていること③地元との十分な協議―と定めている。杉岡村長は①、②については要件を満たしているとの認識を示した。今後は③を満たすため、国や県との詳細な協議を行う。
長泥地区約1080ヘクタールのうち、復興拠点約186ヘクタールと復興拠点外の長泥曲田公園約0・64ヘクタールは2023(令和5)年5月に避難指示が解除された。