大堀相馬焼14年ぶり陶祖祭 産地復興、窯業安全を祈念 福島県浪江町

産地復興や窯業の安全を祈念する出席者
2025/02/19 10:58
福島県浪江町大堀地区の愛宕神社で18日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から14年ぶりに陶祖祭が行われた。関係者が地区内に伝わる伝統的工芸品の大堀相馬焼の創始者をたたえ、産地復興や窯業の安全を祈念した。
陶祖祭は陶祖に感謝し恩に報いるため、各地の窯業産地で行われている。町によると、大堀地区では1975(昭和50)年ごろから、陶祖の嘉績翁(かせきおう)の業績をたたえていた。大震災で被害を受けた愛宕神社の修復が昨年3月までに終わったため、大堀相馬焼協同組合が再び催した。
各地に避難する窯元や町、国の関係者ら約20人が出席した。神社境内にある嘉績翁の碑の前で神事が行われ、大堀相馬焼協同組合の半谷貞辰(ていしん)理事長、吉田栄光町長、平本佳司町議会議長らが玉串をささげて産地の再生を祈った。
半谷理事長は「当たり前にできていた陶祖祭をまた行うことができ、感無量だ。大きな一歩を踏み出せた」と感慨に浸り、「新たな気持ちで焼き物作りに励んでいきたい」と誓いを新たにし