とみおかワイナリー 観光・交流拠点プレオープン ショップも備え初の一般販売 福島県富岡町

 

遠藤社長(右)の説明を受けながら施設を内覧する出席者

 

2025/04/07 10:46

 

 ワイン醸造会社「ふたばラレス」が福島県富岡町沿岸部に整備を進めてきた「とみおかワイナリー」は6日、竣[しゅん]工[こう]式を行い、プレオープンした。関係者が東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に向けた新たな観光・交流拠点の誕生を祝った。

 

 ワイナリーは震災の津波で流失した遠藤秀文社長の自宅跡地に建設した。木造2階建てで、延べ床面積約440平方メートル。醸造所や貯蔵庫、ショップ、レストランを備えている。ショップではワインを初めて一般販売し、レストランでは地元食材とワインのマリアージュを楽しめる。被災しながら残った蔵を震災伝承スペースとして活用する。

 レストランの営業時間は午前11時から午後3時までで、金・土曜日は午後6時から同9時までの時間帯も開く。ショップは午前10時から午後5時まで。いずれも定休日は火・水曜日。

 施設周辺に多目的広場「ワインガーデン」を設けており、5月17日に全体をグランドオープンする。

 同社は町内でワイン用ブドウを栽培している。株数は3月末で震災と原発事故前の町の人口と同じ約1万6千株となった。これまで町外で委託醸造してきたが、今年秋からワイナリーで醸造する。

 竣工式には関係者ら約70人が出席。遠藤社長が「さまざまな人々の交流の場となり、地域の復興や再生のプロセスとポテンシャルを感じてもらえる場にしたい」と述べた。山本育男町長、竹内真二経済産業政務官、今井絵理子復興政務官が祝辞を述べた。出席者らが施設を内覧し、遠藤社長らがテープカットした。

 

関連記事

ページ上部へ戻る