官民連携で新スタジアム整備計画 7月にも周辺調査着手 福島県いわき市

2025/05/22 09:43
福島県いわき市といわき商工会議所、サッカーJ2のいわきFCを運営するいわきスポーツクラブなどは21日、市内の小名浜港を候補地とする新スタジアム整備計画を官民連携で進める方針を表明した。市は計画を小名浜のまちづくりにつなげるため、7月にも周辺地域の調査に着手する。防災機能の在り方や交通の利便性を高める施策などを探った上で整備計画への市としての関わり方を検討する。
いわきスポーツクラブが進める整備計画を巡り、市は用地取得や外部資金獲得に関する情報をクラブに提供してきた。3月末の候補地発表、4月末の「民間主導・行政支援」で官民連携を進めるべきとの市内経済4団体からの要望などを踏まえ、計画を地域の課題解決に生かそうとクラブや経済界との連携を決めた。
市は7月にも庁内に検討チームを設置。調査を通じて実現に向けた課題や自治体の役割を精査し、小名浜地域の防災・交通対策や都市基盤整備の方向性の検討材料とする。調査の具体的な手法は今後詰めるが、外部事業者に委託する方針。結果は年度末にまとめる。
市は企業版ふるさと納税をスタジアム整備に活用する方針も示した。7月に募集を始める。市は調査費など関連費用を盛り込んだ補正予算案を市議会6月定例会に出す方針。金額は調整中だが、整備計画に市が公費を投じるのは初めて。
市役所で共同記者会見に臨んだ内田広之市長は「市が関わるべき部分を明らかにし、その中で財政的な措置なども検討する」と調査の目的を語った。いわきスポーツクラブの大倉智社長は「市や地元の経済団体に支援を表明いただき、大変心強い」と述べた。