浪江町棚塩地区に整備される酪農技術研究所のパース図

2025/05/28 10:43

　全国酪農業協同組合連合会（全酪連）が福島県浪江町棚塩地区に移設する酪農技術研究所の開所は、来年６月ごろになる。建築工事安全祈願祭が２７日、建設地で行われた。近隣に町が整備している大規模畜産施設の飼育牛約２千頭を対象に飼育技術や飼料に関する研究を進め、酪農発展につなげる。

　祈願祭には関係者約３０人が出席。全酪連の熊谷法夫専務理事がくわ入れし「人材育成や交流、地域振興の中核拠点として期待に応えたい」とあいさつ。吉田栄光町長が「畜産と農業再生につながる。町、県の活性化を後押しする施設と確信している」と述べた。

　矢吹町の酪農技術研究所の研究部門を設し、約７５２７平方メートルの敷地に研究棟と冷蔵庫・機材庫を建築する。研究棟は鉄骨平屋で床面積５２１平方メートル、冷蔵庫・機材庫は床面積３１２平方メートル。牛の血液の抗体価や牧草の繊維を分析する装置を置く。１０人超の職員が勤務予定。

　畜産施設の飼育牛から各種データを集め、精度の高い研究を目指す。代用乳の改良試験や生乳の生産向上に向けた添加剤開発などに取り組む。