市民の不要品をフリマで循環 木製家具や自転車修理しメルカリで販売 福島県内初、いわき市が粗大ごみ削減へ

2025/10/02 11:09
福島県いわき市は、市民が不要になった自転車や木製家具を修理し、フリーマーケットアプリ「メルカリ」で販売する。1日、「いわき市メルカリShops」を開設した。県内59市町村で初の試み。循環型社会の実現に向けリサイクル意識を高め、粗大ごみの削減につなげる。市などによるとメルカリShopsを利用する市町村は全国で約50あり、このうち家具などの不要品を販売している事例は20ほど。自転車を修理し販売するのは、いわき市が初という。
不要品のリサイクル販売の流れは【図】の通り。自転車や食卓テーブル、たんすなどの不要品を市リサイクルプラザ「クリンピーの家」に伝えると、プラザ職員が市民宅などを訪れ不要品の状態を確認する。再生可能であれば無償で回収し、プラザ内の修理再生工房で、市の委託を受けた市シルバー人材センターの会員2人が修理や磨き上げなどをする。再生不可能と判断した場合は回収せず、市民が粗大ごみとして処分する。家電リサイクル法の対象となるテレビ、冷蔵庫などの家電は除く。
再生品のブランドや状態などによりA+、A、B、Cの4段階に分けて出品する。自転車はランクに応じて1万円、7千円、5千円、3千円の固定価格で販売し、家具は7千円、5千円、3千円、千円とする。商品は先着申し込み順で誰でも買うことができ、販売の間口が全国に広がる。ただ、商品はプラザで引き取るのが条件。
市は自転車、家具とも毎月3台程度の販売を想定している。今年度は来年3月までの半年間で計18万円程度の収益を見込む。収益は市の一般財源とする。
クリンピーの家は2000(平成12)年から家具などを修理再生し年6回、市民に抽選販売している。メルカリを活用することで、いつでも、誰でも、お値打ち価格で購入できるチャンスが増える。
市によると、2024(令和6)年度の市内のごみ排出量は10万7514トンで、このうち家庭ごみは6万9220トン。2023年度の処理費用は家庭ごみと事業ごみを併せ、42億7900万円という。2024年度末時点の市民1人1日当たりのごみ排出量は927グラムで、市は2030年度までに1日当たり900グラムに減らす目標を掲げている。