今季のサケやな漁始まる 増殖組合が福島県相馬市の宇多川で

 

初日に水揚げされた宇多川のサケ

 

2025/10/30 10:35

 

 宇多川鮭増殖組合は29日、今季のサケやな漁を福島県相馬市の宇多川で始めた。松川浦近くの河口手前に設けた高さ約6メートルのやな場で組合員が作業した。網ですくうと、約80センチの雄、約90センチの雌1匹ずつが揚がった。

 サケは近年、全国的に不漁が続いている。組合は十分な漁獲を見込めないため出荷していない。市内山上にある組合のふ化場で採卵用に成熟するまで育てて来年3月に稚魚を放流する。

 やな漁は12月中旬まで続ける予定。宇多川河口では多い年には1日千匹以上が揚がっていたが、昨年は約200匹にとどまった。採捕責任者の稲村正夫さん(82)は「1匹でも多く捕獲し、文化を後世につないでいきたい」と語している。

 

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