楢葉で学ぼう古民家再生 循環型社会実現へ 補修や清掃技術体験 大工指導 次回ワークショップは18日

 

掃除の方法を学ぶワークショップに取り組む参加者。森山さん(右から2人目)、宇佐見さん(同3人目)は循環型社会のきっかけづくりを目指す

 

2026/01/13 10:35

 

 1軒の古民家再生を通じて、空き家の補修や清掃の技術を学ぶ取り組みが福島県楢葉町で始まった。家主や大工、専門家を招き、町民らと再生の方法を学ぶワークショップを2月まで実施している。空き家活用の機運を地域に波及させて、循環型社会の実現と地域活性化へとつなげていく。

 

 循環についてゆるやかに考える会が主催する。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生前から空き家だった町内木戸の古民家「みんなのこーみんか」を再生させる。2016(平成28)年、移住者らが交流拠点・民泊「木戸の交民家」として整備したがコロナ禍で活動休止。昨年10月、同会が引き継いだ。

 会員は町に住むアーティスト森山晴香さん(32)と個人事業主宇佐見采花さん(30)、福島大行政政策学類特任准教授松下朋子さん(49)の3人で、昨年12月に活動を始めた。空き家活用が停滞するなど住宅が不足する町内の現状を解決したかった。ワークショップを全7回開き、家のつくりを分析し、掃除や補修を体験し再生への技を学ぶ。空き家を抱える家主の思いを聞いて意見を交わし、活用に向けた課題を探る。

 町には帰還者や移住者など多様な背景のある町民が住む。古いものを壊し、捨てるだけでなく、修繕して必要とする誰かが引き継いでいく循環を広げ、町民の交流を促進したい考えだ。森山さんは「古民家再生を通じて今あるものの可能性に向き合い、考える機会にしたい」と話す。

 森山さんと宇佐見さんは町内の空き倉庫を活用し、町民がいらなくなった日用品や衣類を持ち寄り、欲しいものを見つけたら持ち帰る「車庫おーぷんでー(通称・ぐるぐる)」も手がけるなど地域循環を促す取り組みを進めている。次回ワークショップは18日午前10時から開き、大工から補修方法を学ぶ。参加費は千円。問い合わせは同会へ。

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 楢葉町によると、2020(令和2)年度に調査した結果、町内に空き家と思われる軒数は315軒あった。町は空き家・空き地バンク事業を実施し、活用に向けた情報提供に取り組む。一方で、家主の事情で、売る・貸すまでに至るケースは少ないという。

 

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