福島県大熊町の街並み描いたスケッチ贈る 神戸市の建築士曺弘利さん 「記憶の継承に役立てて」

吉岡副町長(右)にスケッチを手渡す曺さん(中央)と熊谷さん
2026/01/19 16:52
被災地の絵を描いている神戸市の建築士曺弘利さん(72)は14日、福島県大熊町に街並みを記録したスケッチを贈った。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に向けて新たなまちづくりが進み、地域の風景が変わりつつある中、「町の歴史をつなぎ、記憶の継承に役立ててほしい」と願う。
曺さんは韓国出身。阪神大震災で被災した経験があり、各地で被災地支援活動に取り組んでいる。福島県にも何度も足を運び、地域の記憶や教訓をつなぐためのスケッチやジオラマの作成に励んできた。
2022(令和4)年ごろから大熊町や双葉町に定期的に通い、関西学院大の学生と協力して変わりゆく街並みを絵に収めてきた。ペンや水彩の絵の具を使い、町の姿をありのままに表現した。
大熊町ではJR大野駅や原発事故により閉店した駅前商店街、中間貯蔵施設敷地内にある旧県水産種苗研究所などを記録。描き残した6枚の絵を一冊の冊子にまとめた。計500冊を制作。14日は活動を共にした関西学院大法学部4年の熊谷朋也さん(22)とともに町役場本庁舎を訪れ、吉岡健太郎副町長に冊子や原画を手渡した。
曺さんは「震災と原発事故を風化させないためにも、多くの人に見てほしい」と述べた。吉岡副町長は「双葉郡に心を寄せていただき、感謝の気持ちでいっぱい」と話した。
曺さんは16日、双葉町に町内の街並みを絵にまとめた冊子計500部を贈呈した。




