困難乗り越え再出発 道の駅なみえ 料理長の笹沼さん

 

【福島民報ニュース】

道の駅なみえで料理長を務める、いわき市出身のすし職人笹沼孝光さん(55)は「自分や浪江にとって、ここが始まりの場所になる」と表情を引き締める。

すしを握る笹沼さん

 小学生の頃、親と一緒に訪れた市内のすし店で、板前の手さばきに魅了された。高校に通いながら修業を始め、料理人になって40年がたつ。

 市内のすし店に勤務していた際、震災を理由に解雇された。職を転々とした。除染作業や葬祭場の料理人も経験した。「それでも、すしが好きだった」。2015年、別の市内のすし店で勤務を始めた。店長を任された。白身魚を塩で味わうなどこだわりの商品展開が評判を呼び、県内外から常連が訪れた。

 新型コロナウイルスの影響で2月から客足が止まり、4月中旬に休業、閉店した。新たな職探しで悩んでいたころ、知人から「道の駅なみえで料理人をやってみないか」と誘われた。

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