三崎潮見台

 

小名浜港は大型の船が行き交う福島県最大の港。

港内には東北最大級の水族館「アクアマリンふくしま」や、いわき市観光物産館の「いわき・ら・ら・ミュウ」、「小名浜マリンブリッジ」などがあり大変賑わいのある有名観光地です。

その東側にある三崎公園内は、総面積70ヘクタールもある敷地、太平洋を一望できるとっても広いシーサイドパークになっています。

敷地内には言わずと知れた小名浜のシンボル「いわきマリンタワー」があるのでまずは、何はともあれ一度は上ってみたくなるもので。

券売機でチケットを購入したらエレベーターで一気に最上階に。

スカイデッキに出ると視界を遮るものがないので、潮風を浴びながら360度の大パノラマを堪能できます。

また広大な公園敷地内は綺麗に整備されており、お子様連れのファミリーも伸び伸びと安心して遊べるのがいいですね。

恐竜をモチーフにした遊具や木製のアスレチックもあって、とても長いローラースライダーでは子どもだけでなく大人の方も喜んで滑っていらっしゃる姿を見かけます。

バーベキュー広場、さらには野外音楽堂や自然遊歩道、レストランもあり、一日中楽しめる超人気スポットになっています。

三崎公園にある「潮見台(しおみだい)」には、絶対に天気の良い日に行きたいものです。

海岸の高台から海に向かって展望通路があり、そこから眺める迫力ある光景はもちろん楽しみで、夕陽など拝めるようならその美しさはいかばかりかと想像は果てしなく広がった状態で向かいました。

訪れたのは11月の初めながら程よい気温、歩いた体に心地良い空気に包まれたうららかな日暮れ前のこと。

太陽の反射光によってきらめく海原をこの目で見たく、自然に歩が早まります。

翌日が雨予報だったこともあり空は薄曇り、雲はすでに少しずつ厚みを帯びてきて気ばかり焦ります。

道中では美しく紅葉した木々や所々で見かける猫に心を奪われそうになり「あとで、あとで」と呪文のように呟きながらたどり着いた三崎公園。

これがまた想像を越える広大さで、また「いそげ、いそげ」と独り言とともにさらに先を急ぎ、ついた先にはやはり絶景を楽しみにたくさんの先客が。

誰もが同じことを考えるのは当然、順番を待っていよいよ夢にみたスポットへ足を踏み入れます。

海に突き出した展望台の突き当たりへと進めば、眼下に広がる芒洋たる大海原。

この風はどこから、海の向こうのはるか彼方を夢想しながら太平洋のさわやかな潮風を受けてみます。

残念ながら光こそ射していませんでしたが、海は私には深い色に美しく輝いて見えました。

周囲にぐるりと広がる大迫力の海を目の当たりにし、近くにいたお子様連れの男性が「なかなか震える感じ」と表現してらっしゃる側で、お子様は楽しそうに笑って去っていきました。

高所が苦手な方にはスリルのある、少々刺激的な風景なのかもしれません。

柵にいくつもの南京錠が並んでいるのが目に入ります。

カップルの誓いの印でしょうか。

恋人同士が永遠の愛を誓い、フェンスや柵に南京錠をかける昭和の恋人達の聖地あるある。

時代は令和に移ってもこのジンクスは語り継がれていくのでしょうか、はてさて。

ともあれここはもしかしたら吊り橋効果が期待できるかもしれませんね。

吊り橋の上のような不安や恐怖を強く感じる場所で側にいる人に対し、恋愛感情を抱きやすくなる現象をそう言いますよね。

心理学の実験上、人は外的な要因で起こるドキドキ感を恋愛のときめきと勘違いしてしまう傾向があるとされています。

恋人達の聖地と呼ばれるところには、そういったシチュエーションである事が多いように思います。

ときめきにドキドキがプラスされ、余計に心のつながりが深まるのかも。

少しだけ大人な雰囲気のお二人連れの方がいらっしゃいました。

お二人ともそう多くは言葉を発しないながら、平穏で安らいだ空気感とともにひと時を過ごされているようでした。

展望台はグルグルと階段を登って上がります。

これがちょっと楽しいのです。

お子様は元気に駆け上がり、そう高くないのですぐに駆け降りてきます。

私はと言いますと、階段途中でしゃがみこんで写真を撮って、階段途中で見上げて写真を撮って、上から見下ろしながら写真を撮って…走るお子さんに「何してんの〜?」と言われる始末。

「面白い写真が撮れるんだよ〜」との返事を聞くか聞かずか、笑い声だけを残しすでにその姿はありませんでした。

建築の知識はまるでないためこの構造の妙について語ることはできませんが、空間の切り取りが面白い建造物はとてもアーティスティックで興味深いものでした。

しかし大変多くの方が訪れる場所ですから、くれぐれも自分勝手な行動は慎みましょう。

どんなに良い写真が撮れようともそれは自己満足、周りの迷惑をかえりみない立ち振る舞いはその写真の価値まで下げてしまいますから。

公共の場を誰もが気持ちよく利用できる社会を、引き続き維持していきましょう。

小名浜港の東側の太平洋に突き出た総面積約70万㎡の広さを持つ三崎公園。

太平洋が一望できる絶景のビュースポットはもちろん、ピクニック広場や第1,第2展望台、野外音楽堂、レストハウスなども広い敷地内に点在し一年中たくさんの人々が訪れます。

その目的は十人十色といったところ、何度来ても新しい楽しみを見つけられそう。

爽やかな早朝の散歩は生き生きとした活力ある1日の始まりになりそうですし、動画公開されている三崎潮見台からの星空タイムラプスもとても綺麗。

自然の多いこの環境ならではの、季節の移ろいを身をもって知るのも素敵ですね。

桜の時期は海の青と満開のピンクがどんなコントラストを生み出すのでしょう。

夏の青葉と煌めく波、紅葉も映える高く青い空、肩をすくめる潮風を浴びながら見つめる崖に打ち寄せる白波…どれも想像してみるだけで彩り豊か。

自然の持つ力に圧倒されたり癒されたり、きっと誰もが開放感に包まれいつの間にかリラックス。

頬を撫でる風を受け気持ちが洗われるような、清々しさと安らぎを与えられるのではないでしょうか。

眼前の太平洋、円筒形の展望台にのぼって小名浜港、振り返れば緑地に映えるマリンタワー。

水しぶきや流れる雲、そよぐ木々を眺めているうちに、気がつけばちっぽけな悩みや迷いなど跡形もなく消え去っているかも。

日々のストレスも吹き飛ばし、五感をフルに使って自分らしさを取り戻す、ネイチャーセラピーになりそうですね。

福島県いわき市小名浜下神白字大作

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