AIロボで介護支援 浪江に工場兼物流センター開所 富士コンピュータ
富士コンピュータ(本社・兵庫県加古川市)の浪江町AI介護ロボット工場兼ネット通販物流センターが同町の藤橋産業団地に完成した。十日、現地で開所式が行われた。浪江町を拠点に、人工知能(AI)を搭載した縫いぐるみ型の介護支援コミュニケーションロボットを製造販売していく。
生産するロボットの名称は「ふくちゃん3号」。ふくしま医療機器産業推進支援機構の支援を受け、浜通りの介護福祉施設で約半年間、実証実験を行ってきた。実験で得たデータを基に改良を重ねてきた。現在は約五千語を理解し、日常会話やお年寄りの趣味などに合わせた話ができる。歌や体操もできる。四月に販売開始し、定価は二十七万五千円(税込み)。
今秋には、浪江町公式イメージアップキャラクター「うけどん」のロボットも完成する予定。
施設は使われなくなった工場を利用して、約八千六百万円をかけて改修した。ロボット製造の他、絵画を中心としたネット通販システムの物流倉庫として整備した。当面は地元採用四人を含む十人で業務に当たり、三年後に四十人規模の雇用を想定している。
南相馬市原町区の福島ロボットテストフィールドで、ソフトウエアの開発も進めている。
開所式で、森和明社長があいさつし、吉田数博町長、福島県商工労働部の山寺賢一企業誘致担当理事が祝辞を述べた。