コメを原料としたバイオマスプラスチック「ライスレジン」を生産する「バイオマスレジン福島」(本社・南相馬市)の浪江工場建設工事地鎮祭は8日、福島県浪江町の北産業団地で行われた。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の被災地で新産業の創出を目指す。
関係者約30人が出席した。神事を行い、バイオマスレジン福島の渋佐寿彦代表取締役と浪江町の吉田数博町長がくわ入れをした。同社の今津健充社長、バイオマスレジンホールディングスの中谷内美昭副社長も出席した。
工場は北産業団地の2・11ヘクタールの土地に建設する。鉄骨造り1部2階建てで、延べ床面積は約1600平方メートル。今年9月末に完成し、11月ごろ稼働する予定。総工費は約9億9000万円。当初は1日当たり5トンの生産でスタートし、10トンまで拡大する。従業員は10~15人で、できる限り地元から採用する方針。
関連会社のスマートアグリ・リレーションズ(本社・浪江町)が町内の耕作放棄地で原料となるコメを生産し、被災地の農業再生にも貢献する。
バイオマスレジン福島は、相馬ガスホールディングス(本社・南相馬市)とバイオマスレジンホールディングス(本社・東京都)が共同出資し、昨年7月に設立された。ライスレジンは非食用米、くず米などを最大70%程度混ぜて作るため、化石燃料を使用する石油系プラスチックの含有量が相対的に減る。二酸化炭素の排出削減につながるとして注目を集めている。