福島県浪江町長選 吉田氏が初当選 高橋氏に5895票差 「新たな町つくり双葉郡をけん引」
インタビューに答える吉田栄光氏
2022/07/11 05:02
任期満了に伴う福島県浪江町長選は10日、投開票され、元県議の新人吉田栄光氏(58)=無所属=が6339票を獲得し、郡山市の宇宙関連企業経営の新人高橋翔氏(34)=諸派=を5895票差で破り、初当選した。
当日有権者数は1万4069人(男6896人、女7173人)。投票率は49・43%で、過去最低だった2018(平成30)年の前回の43・08%を6・35ポイント上回った。
吉田氏の任期は8月5日から4年。当選証書付与式は11日午前9時から町役場で行われる。
■浪江町長選の開票結果(選管最終、敬称略)
当6,339 吉田 栄光 58 無 新
444 高橋 翔 34 諸 新
■吉田栄光氏の談話
町復興の大きな責任が課された。吉田数博町長の功績と政策をしっかりと継承し、新たな浪江町をつくる。双葉郡をけん引するような復興を成し遂げていく。
■吉田栄光氏インタビュー「医療福祉、人口減対策に力」
浪江町長選で初当選を果たした吉田栄光氏は福島民報社のインタビューに応じ、双葉郡の広域的な連携で復興を前に進め、医療福祉の充実や人口減少対策に力を注ぐ考えを強調した。
-就任の抱負を。
「これまで培った経験を全て出し切る。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から十一年が過ぎ、町民は高齢化している。医療福祉の充実、教育に力を入れる。双葉郡の広域的な連携を呼びかけ、人口減少対策にも取り組んでいく。双葉郡は一つの家族。子どもたちに将来を任せられるまち、双葉郡をつくる」
-町の復興にどう取り組んでいくのか。
「行政、企業、町民の力で経済を回し、復興を前に進める。行政、民間などの投資が活性化してこそ、復興のエネルギーは強くなる。そのために、この浪江にどうすれば投資をしてくれるのかをしっかりと考えていく」
-帰還困難区域の特定復興再生拠点区域(復興拠点)外への対応は。
「国が責任を持って対応を進めるよう訴える。首長としてしっかりと関わり、除染や家屋解体などの具体的な方針を早急に示すよう求めていく。生活再建のために町民の声に応え、まずは家屋解体だけでも早くしてもらわなければならない」
■吉田栄光(よしだ・えいこう)氏の略歴
福島県浪江町出身。双葉高卒。2006(平成18)年に県議となり、自民党県連幹事長、県議会議長、党県議会議員会長などを歴任。浪江町北幾世橋字伊織迫1の3の自宅に妻こはくさんと2人暮らし。58歳。