復興拠点の準備宿泊9月23日開始 福島県飯舘村 来年春の避難指示解除目指す
2022/08/24 09:40
政府と福島県飯舘村は23日、東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域のうち、来年春の避難指示解除を目指している村内長泥行政区の特定復興再生拠点区域(復興拠点)の準備宿泊を9月23日に開始すると決めた。対象は8月1日時点で、63世帯200人。
杉岡誠村長らが23日、村役場で記者会見し発表した。杉岡村長は「住民福祉向上に向けた取り組みを、しっかりと進めていきたい」と述べた。
復興拠点は約186ヘクタール。生活インフラがおおむね復旧したほか、相談体制の整備などが完了したため準備宿泊を始める。今後、対象世帯に準備宿泊に関する案内を郵送し希望者を募る。村によると、拠点内では既に多くの家屋が解体されており、現存するのは10軒だという。
準備宿泊は、避難指示区域内で本来は禁止されている自宅などでの宿泊を特例的に可能にする制度。9月12日から村村づくり推進課で希望者の事前登録を受け付ける。
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復興拠点の避難指示を巡っては大熊、葛尾両町村が解除済みで、双葉町は8月30日午前0時に解除される。残る富岡、浪江、飯舘3町村は来年春の解除を目指している。