涼ケ岡八幡神社の大鳥居が復活 地震で損傷し再建 福島県相馬市
大鳥居の再建を祝って通り初めに臨む出席者
2022/10/27 09:42
3月の福島県沖地震で損傷し、取り壊された相馬市の涼ケ岡八幡神社参道入り口にある大鳥居の再建工事が完了した。26日、現地で竣工(しゅんこう)式と通り初めが行われ、関係者が神社のシンボル復活を喜び合った。
式には氏子総代ら15人が出席した。遠藤盛男宮司(79)が祝詞を奏上し、今後の安寧を願って出席者とともに玉串をささげた。通り初めでは、出席者が並んでゆっくりと大鳥居をくぐった。
相馬中村藩にゆかりの深い涼ケ岡八幡神社の大鳥居は、参道の太鼓橋とともに鮮やかな朱色が映え、参拝者や写真愛好家らに親しまれている。地震で支柱が傾くなど倒壊の恐れがあり、取り壊された。
老朽化した本殿などの耐震修理事業に乗り出す中での被害だったが、大鳥居の復活を願う氏子や市内外の協力者から耐震修理とは別に奉賛金が寄せられ、再建工事にこぎ着けた。
大鳥居は高さ7・4メートル、幅8メートルの硬質塩化ビニール製で、以前のコンクリート製より軽く耐震性に優れる。遠藤宮司は「多くの方々の協力で鳥居を復活させることができた。皆さんの思いに報いるような神社運営や施設修復に取り組む」と決意を示した。