4道県の高校生が福島の復興学ぶ 27日まで双葉郡を視察 相馬高生と交流も

 

曲がった時計を見て、津波の恐ろしさを感じる高校生=26日、浪江町の震災遺構・請戸小

 

2022/11/27 10:54

 

 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県への風評の払拭・抑止を目的にした復興庁の出前授業を受講した北海道、兵庫、広島、沖縄4道県の高校生が26日、双葉郡の各町村を視察した。一行は東日本大震災と原発事故から11年8カ月が過ぎた被災地の現状を自身の目で確かめた。視察は27日まで。

 復興庁は今年度、首都圏の高校を対象に行ってきた出前授業を北海道、宮城、静岡、兵庫、広島、愛媛、福岡、沖縄の8道県の高校に拡大した。より理解を深めてもらおうと、このうち4道県の生徒を県内に招いた。立命館慶祥高(北海道)、舞子高(兵庫)、山陽女学園高等部(広島)、首里高(沖縄)の生徒、教員合わせて13人が参加している。

 高校生は佐藤安彦県企画調整課長から復興の状況について説明を受けた。浪江町の震災遺構・請戸小を訪れ、津波の恐ろしさを肌で感じた。首里高2年の貍塚瑚子さん(17)は「海が近くにあるのに、防潮堤で海が見えず、遠くに感じた。沖縄との違いや津波の恐ろしさを実感した」と語った。

 双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館で複合災害に理解を深めた。広野町では経済産業省の担当者から、第1原発の廃炉、処理水の海洋放出について講話を受けた。相馬高新聞部の生徒と交流し、風評払拭や復興に何が必要かを議論した。

 27日はJヴィレッジ(楢葉・広野町)で震災後の歩みを学ぶ。

 

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