地震で被災した蔵から歴史資料搬出 4日と5日に福島県相馬市
被災した蔵(右奥)から搬出された資料
2023/03/05 09:01
福島県相馬市のボランティア組織「そうま歴史資料保存ネットワーク」は4、5の両日、昨年3月の地震で被災した民家の蔵に残る歴史資料の搬出活動を行っている。ネットワークは市民有志を主体に専門家と連携し、住宅などに眠ったままの価値ある資料が災害で散逸しないよう活動を進めている。
今回は、大規模半壊で解体される市中心部の蔵を所有する56歳男性から依頼を受けた。ネットワークの鈴木龍郎代表(相馬市出身、日本画家)と会員、阿部浩一福島大教授=福島歴史資料保存ネットワーク代表=ら約20人が昔の帳簿や古伊万里とみられる陶器などを搬出している。別の保管場所に運び、専門家らが整理する。
市内では、被災した民家や蔵などの公費解体が進んでいる。鈴木代表は「隠れた資料がまだ眠っている可能性がある。解体前に自身で見直したり、ネットワークに相談してほしい」と話している。問い合わせはネットワーク事務局(相馬商工会議所内)へ。