大熊町が12年ぶりに町内で教育活動再開 「学び舎 ゆめの森」が開校 子ども26人が「始まりの式」で笑顔
住民らが花道を作り、出迎えを受ける「学び舎 ゆめの森」の児童ら
2023/04/11 09:37
記念撮影する児童生徒と関係者
福島県大熊町は10日、町内で12年ぶりに教育活動を再開した。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で会津若松市に仮校舎が置かれていた教育施設「学び舎(や) ゆめの森」が町内に開校。町交流施設linkる大熊で入園式や入学式、始業式に当たる「始まりの式」を行った。町内の居住制限、避難指示解除準備両区域の避難指示が解除されてから丸4年となった節目の日に、子どもたちの元気な姿が戻った。
施設に通う子ども26人が町民ら約200人の出迎えを受けて入場した。一人一人の名前を呼ばれると、大きな声で返事をした。吉田淳町長が「新たな教育のステージの始まりを迎えた。一人一人が輝ける教育環境の実現に取り組む」と式辞を述べた。南郷市兵(いっぺい)校長が「大熊から全国に先駆けた学びの変革を進め、真の復興に貢献する。一人一人の夢の大樹が腕を伸ばし、大輪の夢の花が咲き誇ることを願う」とあいさつした。
子どもたちを代表し、石井埜乃佳(ののか)さん(9年)が「立派な『大熊っ子』に育っていく姿を見せられるよう、誇りを持って自分の未来を切り開くと誓う」と力強く話した。
施設は義務教育学校と認定こども園が一体となり、0~15歳までが同じ環境で学びを深める。新校舎は町内大川原地区に建設が進むが、資材不足で工期がずれ込んでおり、1学期は地区内の公共施設3カ所で学習する。8月の2学期から新校舎で授業を始める。