福島県葛尾村産トマト「すずこま」使用 アラビアータソースが完成 浜通りの新たな逸品として売り出す

 

葛尾村産トマト「すずこま」を使ったアラビアータソース。小高工房が商品化した

 

2024/12/04 10:12

 

 福島県葛尾村産トマト「すずこま」を使ったアラビアータソースが完成した。南相馬市小高区で農産物加工品を手がけている小高工房が商品化した。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの農業復興を目指す浜通りの新たな逸品として、広く売り出していく。県内で栽培数が少ないすずこまのおいしさも発信し、村の農業振興にもつなげる。3日、葛尾村復興交流館あぜりあでお披露目された。

 すずこまは栄養価が高く、加熱料理に適しているのが特徴だが、トマトは生食が主流のため、全国的に栽培している農家が少ないという。ただ、他の品種に比べて栽培が比較的簡単であるため、村と連携協定を結んでいる東北大大学院農学研究科が2022(令和4)年度から村民に苗を配り、葛尾の新たな特産品づくりを目指して栽培方法を伝えている。

 今回は村内の農家が育てた、すずこまの魅力に目を付けた小高工房が、葛尾むらづくり公社と連携して商品開発を進めた。熱を加えるとうま味が増す特性を生かし、アラビアータソースに仕上げた。同社が小高区で生産したトウガラシも使用した。

 商品の名称は「おこりんぼさんのそーす」。280グラム入りで価格は1280円(税別)。数量限定で約370袋を作った。あぜりあや小高工房、セデッテかしまで販売している。来年以降は販売数を増やし、販路拡大を見据えている。

 お披露目会には小高工房の広畑裕子代表、葛尾むらづくり公社の松本弘代表理事、東北大大学院農学研究科の加藤一幾准教授が臨んだ。広畑代表は「さまざま料理に商品を活用してほしい」とPRした。

 

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