「3・11」に思いはせる場所に 福島県富岡町に美術館建設を計画 宮島さん、都内で記者発表
記者発表会に臨む(左から)長嶋さん、宮島さん、田根さん
2025/02/04 10:59
福島県富岡町に東日本大震災の記憶を継承するための巨大アート作品を恒久的に収蔵する「《時の海―東北》美術館(仮称)」の建設を計画している現代美術家宮島達男さんは3日、東京都内で記者発表会に臨み「日本全国や世界から来た人たちが海の見える場所で作品を見ながら『3・11』に思いをはせる場所にしたい」と語った。
宮島さんは発光ダイオード(LED)のデジタル数字カウンターを使って生と死や命の輝きを表現する代表作「時の海」を、東北に生きる人や東北に思いを寄せる人ら3千人と協働で完成させる。約22メートル×40メートルの長方形の水盤の中でLED3千個が9から1のカウントダウンを繰り返して明滅する巨大アートとなる。
宮島さんは県内外でワークショップを重ね、参加者にカウントダウンにかかる時間を設定してもらっている。「人生にとって大切な数字を選んでほしいとお願いしている。思いが込められた3千人分の時間が展示される」と語った。
プロジェクトには建築家の田根剛さん、グラフィックデザイナーの長嶋りかこさんが参加している。建築費は約20億円を見込み、今後寄付などを募る。