舞踊で古里に活気を 11日に福島県南相馬市でおだか秋まつり 15年ぶり芸能発表復活

 

発表会に向け意気込む江井さん(右)と加藤会長

 

2025/10/06 15:30

 

 11日に福島県南相馬市小高区で催される「おだか秋まつり」で、同区芸術文化協会(東美枝子会長)の芸能発表会が15年ぶりに復活する。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故によって避難を強いられ、一時ばらばらになった愛好者が「舞踊で古里を活気づけたい」と意気込んでいる。

 秋まつりでは地元の民舞踊、ダンス、日本舞踊などの団体が日頃の稽古の成果を披露していた。原発事故の影響で、活動の継続が困難になる団体が相次ぎ、2011(平成23)年以降は、芸能発表会を開催できずにいた。

 震災と原発事故から15年が過ぎ、帰還した住民を中心に、活動を再開。会員に小高区の住民がいる団体も協力し、秋まつりでの発表にこぎ着けた。

 復活の舞台には協会に所属する11団体のうり10団体が出演する。このうち協会の事務局を務める江井恵子さんは、所属する日本舞踊の裕月流華の会の加藤久美会長(相馬市)らとともに稽古に励んでいる。江井さんは「地元で発表できることに喜びを感じている。震災前のにぎわいを取り戻す一歩にしたい」と話している。

 芸能発表会は11日午前11時から午後2時30分まで、浮舟文化会館で開かれる。

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 おだか秋まつりは11日午前10時から、JR小高駅前通りの歩行者天国をメイン会場に催される。

 ウルトラマンオメガショーや市内の高校生と音楽家による合同演奏、民謡と津軽三味線のライブなどが繰り広げられる。通りには縁日屋台が並び、旧小高教会幼稚園や小高区役所では子どもや住民の美術、文芸作品を展示する。問い合わせは小高商工会へ。

 

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