コロナ禍異例の試験準備 16日から初の大学共通テスト
新型コロナウイルスの感染急拡大が収まらない中、大学入試センター試験の後継となる初の大学入学共通テストが十六、十七の両日実施される。福島大など県内の各会場は、入退場時の密状態回避や小まめな換気など、感染対策に苦心しながら本番の準備を進めている。受験生らは異例の環境下での試験に緊張と不安を抱えながら、最後の追い込みを迎えている。
県内で試験会場となる大学や高校は、大学入試センターの指示に基づき、受験生にマスク着用や手指消毒の徹底を求める。郡山市の郡山女子大・同大短期大学部は十四日、職員らが会場入り口に設置する消毒液などの準備に当たった。
各会場は「三密」回避にも神経を使う。県内最大規模となる約千七百人が訪れる福島市の福島大は受付時、地面に立ち位置を記したテープを貼るなどして間隔を確保し、受験生の密状態を防ぐ。いわき市の医療創生大は試験終了後の人の密集を避けるため、会場の出口を数カ所に分け、分散退出させる。
受験生の体調や精神面にも配慮する。福島大は無症状の濃厚接触者や体調を崩した生徒など、別室での受験者が増える可能性を想定し、試験監督らの人員を例年より十人ほど増員する。別室での監督者はマスクに加えてフェースシールドを着用するが、伊藤敬義入試課長(54)は「防護服などを着ると受験生に精神的なプレッシャーを与えかねない。服装にも気を付けたい」と語る。
会場の換気について、大学入試センターは一科目終了ごとに十分程度以上、教室などの窓を開けることが望ましいとしている。ただ、寒冷地では教室が冷えたり、風雪が入り込んだりする恐れがある。
会津若松市の会津大は天候を見ながら、開放する窓の領域を限定したり、時間を調整したりする。佐々木利幸学生課長(56)は「感染対策に万全を期すのは当然だが、受験生が力を出し切れる環境づくりが大切」としている。