木戸ダム(楢葉)で水力発電 福島県と民間一体の再エネ推進
県は県営多目的ダムの木戸ダム(楢葉町)で水力発電事業に乗り出す。公募で選定された信夫山福島電力(本社・福島市)を代表とするグループと二〇二一(令和三)年度内に契約を結び、二〇二四年度の発電開始を目指す。県が二十六日、発表した。
■2024年度開始目標
木戸ダムは治水や水道用水の供給などを目的としたダムで、水力発電のための設備はない。県は民間資金活用による社会資本整備(PFI)の仕組みを木戸ダムに導入し、官民一体で再生可能エネルギーの推進につなげる方針だ。
事業者は水力発電で生じた電力を電力会社に売却し利益を得て発電設備の導入費などを回収する。県が一般財源を投じている木戸ダムの管理費は年間約五千万円。事業者が売電収入から管理費の一部を充当する。これにより、県の財政負担を減らすことができる。
最長二十年間の契約で、契約期間後は県が施設の無償譲渡を受けるか、事業者が設備を撤去する。県によると、最大出力は千~二千キロワットを想定している。
公募は二〇二〇年九月に実施し、県内から二件の応募があった。有識者による審査会で総合的に審査し、信夫山福島電力を代表とするグループを最優秀提案者に選定した。
県営ダムでは四時ダム(いわき市)で同様の手法を取り入れている。