最高賞に相馬市の事業 IHI、パシフィックパワーと連携 新エネ大賞

 

 一般財団法人新エネルギー財団の二〇二〇(令和二)年度新エネ大賞で、IHI(東京)と相馬市、小売電気事業会社パシフィックパワー(東京)が連携して進める「地域の再エネ最大利用を目指した相馬市スマートコミュニティ事業」が、最高賞の経済産業大臣賞(地域共生部門)を受賞した。同財団が二十六日、発表した。 

 同賞は、新エネルギー関連の先進的事業に取り組む企業や団体に贈られる。福島県関係の最高賞受賞は二〇一五年度のグリーン発電会津(会津若松市)に次ぎ二例目。 

 地域共生部門は今年度新設され、相馬市でのスマートコミュニティ事業は、震災復興に向けた自治体と民間によるエネルギーの地産地消や災害対応への応用などが高く評価された。 

 市が無償貸与した相馬中核工業団地東地区内の土地にIHIが千六百キロワットの太陽光発電パネルや蓄電池を設置し、二〇一八年にエネルギーセンターが開所。発電した電気を近隣の市下水処理場などで利用する一方、余剰電気から取り出した水素と熱を使い、センター内に昨年新設した水素研究棟での実証実験に活用したり、下水汚泥の乾燥・再資源化に取り組んでいる。 

 IHIソリューション・新事業統括本部の中島精一部長は「わが社の取り組みが評価され光栄。受賞に満足せず社会貢献に一層努める」、相馬市の宇佐見清総務部長も「新事業創出や市民の新エネルギーへの理解につながるよう、パートナーとともにしっかり取り組む」とした。 

 同財団は、新型コロナ感染防止のため今年度の表彰式は行わず、表彰状などは受賞団体に郵送する。 

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