「大熊町診療所」開所 原発事故後初 地域に医療戻る
大熊町診療所は二日、町内大川原地区に開所した。町内で医療機関が診療を開始するのは東京電力福島第一原発事故発生後初めてで、約十年ぶりとなった。
所長で総合診療医・家庭医の山内健士朗医師(36)が内科の診療に当たる。当面、毎週火曜日のみ午前九時から正午までとなる。初日は開所直後から町民の診察に当たった。
町診療所は避難先から帰還した町民が主に利用する。大川原地区の災害公営住宅に隣接した「福祉ゾーン」に位置し、町役場本庁舎にも近い。吉田淳町長は開所に先立つあいさつで「町内の医療再生の一歩だ。住民の不便解消につながる」と期待した。一方、町内の県立大野病院再開は見通せない状況で「今後も国や県に医療環境整備に向けた支援を要請し続ける」と語った。
山内医師は「町診療所だけでは対処しきれない面もある。近隣自治体の医療機関と連携して町民の健康を守りたい」と意気込んだ。
問い合わせは町診療所 電話0240(23)7170へ。休診時は町保健福祉課保健衛生係 電話0240(23)7419へ。