立ち入り規制緩和 大熊、帰還困難区域の一部
政府原子力災害現地対策本部と大熊町は八日、東京電力福島第一原発事故に伴う町内の帰還困難区域について、下野上、熊の両地区の一部を立ち入り規制緩和区域に追加した。従来の緩和区域と合わせて計約六百十三ヘクタールに広がった。
午前九時にバリケードの開放が始まった。町内熊字旭台では、内閣府の担当者が町道上に設けたゲートを開け、立ち入り制限を示す看板を撤去した。警察車両や町消防団のポンプ車が緩和された地域の警らに向かった。
緩和区域は【地図】の通りで追加面積は約三百二十三ヘクタール。来年春の避難指示解除を目指す特定復興再生拠点区域(復興拠点)に含まれる。下野上地区はJR常磐線大野駅につながる町道の西側にある金谷平(かなやだいら)の一部などが対象。熊地区は常磐線の線路西側の旭台、錦台の全域。緩和後は許可証なしで立ち入りできる。宿泊はできない。
緩和は昨年三月の下野上、野上両地区の一部地域に続き二度目。復興拠点のインフラ復旧や除染が進めば、町は住民が夜間も滞在できる準備宿泊を今年秋に実施する方針。