福島県産花、夢ある名前に 独自開発のリンドウ、カラー名称発表
内堀雅雄知事は十五日の定例記者会見で、福島県が独自に開発した観賞用花卉(かき)のリンドウとカラー三種類の名称を発表した。内堀知事は「被災地から大きな花を咲かせようというメッセージを全国に発信したい」と述べ、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興加速化、県産花のブランド振興などに期待を込めた。
リンドウの福島栄22号は「天の川」、カラーの福島1号は「はにかみ」、福島2号は「ミルキームーン」、福島3号は「キビタンイエロー」とそれぞれ命名した。
「天の川」は、青紫に小さな斑点模様が入った花が特徴。二〇〇八(平成二十)年度から十二年かけて開発した。二〇二二(令和四)年度からの本格栽培を目指す。
カラー三種類は二〇〇四年度から十六年かけて誕生させた。「はにかみ」は白地に、うっすらとピンク色が交じっている。家庭用としての用途が見込まれている。「ミルキームーン」はクリーム色で家庭用から婚礼、贈答用まで幅広い需要があるとみている。「キビタンイエロー」は県マスコットキャラクター・キビタンをイメージ。鮮やかな黄色で高級路線の婚礼、贈答用として売り込む。
県によると、二〇一九年度の県内出荷量はリンドウが約三百五十一万一千本で、全国四位となっている。カラーは約九十四万七千本で、七~九月は都内市場での取扱量の約半数を占めている。新品種の市場投入で、出荷拡大や生産基盤の強化につなげたい考えだ。
県は昨年十一月から十二月にかけて、新品種の名称を募集した。県内外の六百四十人から計千七百七十八点が寄せられた。JAグループ福島や花卉関連団体の意見も踏まえ決定した。