処理水放出決定で方針 規制委、異例の審査公開

 

 東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含む処理水を海洋放出する政府の方針決定を受け、原子力規制委員会は十四日の定例会合で、放出時の希釈方法や処理水の放射性物質濃度の測定・評価方法などを公開の会合で審査する方針を決めた。通常、審査の場は非公開としているが、透明性を高める目的で異例の判断をした。

 東電は放出前に、必要な設備の設計や処分の手順などをまとめた実施計画を規制委に申請して認可を受ける必要がある。このため規制委は実施計画の審査方針を決定した。審査対象として希釈方法などの他、排水設備の設計や、放出時の監視方法も盛り込んだ。法令を順守しているかという従来からの観点に加え、政府方針で定めた放射性物質の濃度や総量などがクリアできるかも確かめる。

 規制委は具体的な処分方法の検討状況や計画の申請時期の見通しなどについて東電から聴取する。十九日の特定原子力施設監視・評価検討会で始め、その後も継続的に説明を受ける。実施計画に盛り込まれる内容について申請前からチェックし、確実な審査を進める考え。

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