20日Jヴィレッジ全面再開2年 「聖火出発地」新たな魅力

 

 Jヴィレッジ(楢葉・広野町)が東日本大震災と東京電力福島第一原発事故による休業から全面再開し、二十日で二年になる。Jヴィレッジの上田栄治副社長(67)は福島民報社のインタビューに応じ、東京五輪聖火リレーの出発地としての知名度を生かし、教育旅行の誘致に力を入れる考えを示した。 

 -聖火リレーの出発地として施設が広く知られるようになった。 

 「無観客だったが、無事に終えることができほっとしている。聖火リレーの開催により施設に新たな魅力が加わった。全面再開二年に合わせ、センター棟四階の展望室をリニューアルする」 

 -新型コロナウイルス感染拡大の影響に苦しんだ一年だった。 

 「二〇一九年度の来場者は約五十万人、宿泊者約四万人と、震災前の水準まで回復していたが、二〇二〇(令和二)年度は新型コロナで宿泊キャンセルが相次いだ。来場者約二十五万人、宿泊者約二万七千人と前年度に比べ大きく減少したが、厳しい環境の中で健闘したと思う」 

 -今後の取り組みは。 

 「海外への修学旅行を中止した学校が、震災について学ぼうと双葉郡を訪れている。各施設と連携して教育旅行の誘致に取り組む。生活習慣病予防など健康分野にも力を入れ、シニア層にスポーツを楽しんでもらう機会を提供したい」 

■サッカー2級審判員 新入社員・佐藤さん(坂下出身) 仕事と両立、成長したい

 Jヴィレッジに今月入社した佐藤真心(まなか)さん(18)=会津坂下町出身、会津農林高卒=はサッカーの二級審判員の資格を持つ。「仕事と審判員を両立し、復興に貢献できるよう頑張りたい」と決意した。 

 父の影響で三歳からサッカーを始め、会津サントスFCでプレーした。選手としての成長につなげるため審判員の資格取得を進めるうち、多くの人と関われる審判の楽しさに目覚めた。高校二年時には、全日本U-12(十二歳以下)選手権に東北地方で初めて女性ユース審判員として派遣され、主審を務めた。 

 Jヴィレッジでは営業企画グループで働いている。平日は施設の利用者増に向けた企画を考え、休日は各種大会で笛を吹いている。「ピッチ上でのファッションショーなど美しい芝を生かした企画を提案し実現していきたい。海外の試合で笛を吹く夢に向かって審判員としても成長する」と言葉に力を込めた。

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