2026年にも全線開通 只見-新潟・三条289号国道「八十里越」

 只見町と新潟県三条市を結ぶ二八九号国道八十里越区間(延長二〇・八キロ)は二〇二六(令和八)年にも開通する見通しとなった。同国道で唯一の不通区間が解消され、二五二号国道などを経て、いわき市から新潟市まで約三百キロの全線で通行が可能となる。国土交通省が二十七日にも発表する見込み。八十里越区間の供用開始について目標時期が示されるのは初めて。道路の完成を通し、日本海側と福島県を結ぶ新たな観光ルートの構築や物流網の充実などが期待される。

 八十里越区間の整備状況は【図】の通り。国土交通省が一九八六(昭和六十一)年に直轄権限代行事業として本格的に整備を開始し、福島県、新潟県とともに県境の区間で分担して道路を整備している。山間部の環境に加え、豪雪地帯で冬季の工事ができないため、整備に三十年以上の時間を要している。

 国交省が工事を担う一一・八キロの区間では主にトンネル十一カ所と橋梁八カ所を整備しており、このうち三月末までに最も長い九号トンネル(三千百三十七メートル)などトンネル八カ所と橋梁七カ所の整備が完了した。残る新潟県側の五号橋りょう(三百三十七メートル)と二号(五百四メートル)、三号(百六十八メートル)、四号(百七十八メートル)の各トンネルについて五年程度での完了を目指し、工事を加速させる。

 事業費ベースで、福島県整備区間七・八キロは78%、新潟県整備区間一・二キロは97%の整備が進んでいる。両県は今後、国が目標とする全線開通時期に間に合うようトンネルの工事などを進める方針だ。

 八十里越区間の開通で、只見町と三条市のアクセス時間は大幅に短縮される。磐越自動車道を使った場合は三時間以上、二五二号国道を通った場合は二時間以上かかるのに対して、同区間を経由すると一時間二十分と大幅な短縮が見込める。

 福島県と新潟県を結ぶ新しい道路の完成を通し、北陸地方や近畿地方から県内にアクセスする新たな観光ルートの構築、復旧が進むJR只見線と連携した観光誘客などに結び付くと期待されている。

 二〇一一年の新潟・福島豪雨では奥会津地方の多くの道路が被害に遭い、避難経路や物流網が断たれた。磐越自動車道や四九号国道、二五二号国道が被災した場合、二八九号国道が物資の輸送や救急搬送などで代替道路としての機能も担う。

 八十里越区間の全線開通の目標時期については二十六日、奥会津地方の首長と菅家一郎衆院議員(自民、福島4区)による道路整備促進の要望に対し、大西英男国土交通副大臣が示した。

 オンラインで要望に参加した只見町の渡部勇夫町長は「全線開通を見据えた町の振興・活性化策を打ち出せるよう努めていきたい」と述べた。

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