初の800人超、月別最多 年度替わり交流増要因か 4月の福島県内コロナ感染
県は県内で四十四人の新型コロナウイルス感染が確認されたと二十九日、発表した。四十四人の陽性は二十八日に判明した。一日から二十八日までの四月の新規感染者数は八百三人となり、一月の七百七十九人を二十四人上回り、月別最多を更新した。県は年度替わりに人々の交流が活発となり感染拡大につながったとみている。三十日に対策会議を開き、大型連休期間中の感染防止対策の徹底を県民に改めて訴える方針。
■「44人陽性」29日、福島県発表分
県内の月別の感染者数の推移は【グラフ】の通り。年末年始の移動や帰省者との交流で昨年十二月に拡大し、今年一月には七百人を突破した。二月は二百人台にとどまったが、三月は再び増加に転じ、四月は二十八日判明分までで八百三人となり、初めて八百人を超えた。
県は四月の感染状況について、年度替わりに伴い人が移動し、地域単位や事業所で歓送迎会が開かれるなどした結果、職場、家庭、知人間で二次・三次感染が急速に広まっていると分析している。四月のクラスター(感染者集団)発生件数は月別最多の十七件となっているのに加え、家庭内や知人間など五人未満の小規模な感染者のつながりも目立っているという。
四月の二十八日判明分までの主な居住地別の感染者数は【表】の通り。二百八十六人のいわきをはじめ、郡山、福島、会津若松の四市の感染者は計五百八十三人で全体の約七割を占め、都市部を中心に増加傾向が顕著となっている。特に会津若松市は二十五日から二十八日までの四日間で計四十七人の新規感染者が確認された。県は飲食店での会食を起点に感染が急拡大していると指摘する。
感染者の急増により、県内の医療提供体制に一層の負荷がかかる恐れがある。二十八日現在の入院者は予定も含め二百五十六人で、県が確保している病床四百六十九床の使用率は54・6%(前日比3・4ポイント増)。感染状況が最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)の指標「50%以上」を二日連続で上回った。
県は年末年始や年度替わりに人の動きが活発化した結果として感染が拡大する傾向を踏まえ、大型連休期間中の大人数での飲食を伴う会合や感染拡大地域への往来の自粛を徹底するよう県民に引き続き求める考え。県新型コロナ対策本部の担当者は「県民の気が緩めば、爆発的な感染拡大につながる恐れがある。県内でも変異株が出ている。警戒が必要だ」と呼び掛けている。
二十八日に陽性が判明した四十四人のうち、半数の二十二人は感染経路不明だった。県内の感染者は累計三千三百二十四人となった。県発表の四十四人の内訳は次の通り。
【4月1~28日に 判明した県内の主な居住地別感染者数】
▽いわき市=286人
▽郡山市=131人
▽福島市=103人
▽会津若松市=63人
▽二本松市=49人
▽相馬市=26人
▽南相馬市=24人
▽伊達市=22人
▽白河市=20人
▽会津美里町=14人
▽須賀川市=11人
■福島県内18人退院 療養施設5人退所
県内で新型コロナウイルスに感染した入院者十八人が二十八日、県内の医療機関を退院した。同日、宿泊療養施設入所者五人が退所し、自宅療養者六人が療養解除となった。県が二十九日、発表した。
二十八日現在の入院者は予定者と宿泊療養施設入所者、自宅療養者を含め三百五十三人。このうち十一人が重症となっている。