【東京五輪 福島県勢勝負の夏】自転車の男子トラックと女子ロードレース

 

 ◇集大成披露へ全力―新田祐大選手

 自転車男子トラック種目の新田祐大選手(35)=日本競輪選手会、白河高出身=は2012(平成24)年のロンドン五輪以来、2大会ぶりの出場。11日に他の代表選手と共にオンラインで記者会見し、「五輪に向け全身全霊で挑戦してきた。集大成を披露できるように全力で頑張る」と闘志を燃やした。

 リオデジャネイロ五輪出場を逃し、2016年にプロチーム「ドリームシーカー」を立ち上げた。国内トップ選手と切磋琢磨(せっさたくま)し、2019年3月にはケイリンの世界ランキングで初の1位に立った。

 昨年3月までの激しい代表選考レースを勝ち抜いた。近年は「本業」という競輪の出場数を減らし、悲願の金メダル獲得のため全精力を注いできた。

 ケイリン、スプリントの2種目で世界一を見据える。11日の会見では古里への思いもにじませた。「(リオ五輪からの)5年間で培った経験や、養った精神力を感じ取ってもらえる走りをしたい」

 ◇不惑の主婦レーサー―金子広美選手

 自転車女子ロードレースの金子広美選手(40)=イナーメ信濃山形、白河二高出身=は6月と今月、天栄村の羽鳥湖高原や猪苗代湖で合宿した。「だいぶ仕上がっている」と勝負の日を待ち望む。

 宮城県出身で、高校1年から9年間、西郷村で過ごした。結婚を機に24歳で競技を始め、自ら考えるメニューで力を付けた。2019(令和元)年6月の全日本選手権で2位となり、代表入りに大きく前進。同年末から家族を三重県に残し、標高の高い長野県で一人の練習を続ける。

 新型コロナウイルス禍で五輪が開催できるか不安もあったが、「やるしかない」と前を向いた。今年6月、2019年11月以来の実戦となる千葉県のロードレースに参加した。男子に交ざり、ペースの上げ下げへの対応に手応えをつかんだ。

 11日は石川町で五輪前最後の実戦に臨んだ。「練習の成果を出せる場があるのはうれしい」。夢の舞台はすぐそこに。主婦レーサーは、もう惑わない。

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