農地に広がる黄色いじゅうたん 福島県富岡町上手岡で菜の花満開

 

満開を迎えて鮮やかな黄色に地域を染める菜の花畑

 

2024/04/21 09:51

 

 福島県富岡町上手岡の菜の花畑が満開となった。常磐自動車道常磐富岡インターチェンジ(IC)付近の約30ヘクタールの農地に栽培されており、車窓からの景色を鮮やかな黄色に染めている。このうち17ヘクタールを栽培するえんどう農園の遠藤正彦さん(54)は「少しでも富岡がいいところだと思える場所にしたい」と話す。

 所有する農地のほか、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の避難に伴い、住民が管理できなくなった田んぼを借りて栽培している。遠藤さんは今年が3年目の挑戦だ。荒れた農地での栽培で、2年間は思うように育たなかった。肥料などの育成環境を工夫し、今年初めて納得できる景色を作り出せた。来年以降もさらに多くの農地を借りて風景を拡大していくつもりだ。

 遠藤さんは菜種油の販売も手がけており、町の農業復興や新たな観光資源としてさらなる発展を目指している。「夜の森の桜から菜の花につなげたい。帰りたくても帰れない人たちがいる。きれいに使うことで喜ばせたい」と意気込んでいる。

 

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