復興の歩み絵日記で伝える 福島県南相馬市で故朝倉悠三さんの作品展始まる

 

 福島県相双地方の伝統行事「相馬野馬追」の絵画の第一人者として知られる画家の故朝倉悠三さんの作品展が3日、南相馬市博物館で開幕する。福島民報で連載した「震災絵日記」の30作品を展示し、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興の歩みを伝える。10月3日まで。

 朝倉さんは南相馬市鹿島区出身。高校の美術教諭を務めながら野馬追などの絵画を描き、退職後も制作を続けた。震災絵日記は2011(平成23)年5月から2019年3月までの間に計410作品が連載され、自然の脅威、被災者の悲哀、政治不信、未来への希望を表現した。2019(令和元)年9月20日、79歳で亡くなった。

 作品展は、同館が朝倉さん家族から絵画の提供を受けて実現した。震災の津波で市内鹿島区の6号国道に漁船が押し流された光景を描いた第1回掲載の作品「6号国道に横たわる漁船(南相馬市鹿島区)」をはじめ、2018年7月に野馬追の標葉(しねは)郷騎馬会の騎馬武者が地元の浪江町に凱旋(がいせん)する「帰り馬」行列を8年ぶりに行った時の喜びと感動を記した「相馬野馬追完全復活~標葉郷、8年ぶり武者行列」などが並ぶ。作品は全て複製でA4判サイズ。

 観覧無料。開館時間は午前9時から午後4時45分(最終入館は同4時)まで。月曜日は休館。問い合わせは同館へ。

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