ロケットベンチャー企業が福島県南相馬市で部品製造へ 市と協定結ぶ

 

インターステラテクノロジズが研究開発を進めるロケットのイメージ図

2022/02/09 21:07

 

福島県南相馬市原町区に支社を置くロケット・人工衛星開発のベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」(本社・北海道大樹町)は、南相馬市でロケット部品を作る。市によると、市内でロケット関連部品が開発されるのは初めて。同社と市が9日、連携協定を結んだ。

 同社は人工衛星を宇宙に輸送するロケットの研究開発を進めている。ロケットは長さ約24メートル、太さ約1・7メートル。市内では機体先端に搭載する人工衛星を空気抵抗などから守る部品「フェアリング」、金属電子部品などを製造する。2023(令和5)年度内に実際にロケットに取り付け、北海道で打ち上げる計画だという。航空やロボット関連の南相馬市の実績に注目し、部品開発の場に選んだ。

 同社は市内企業との連携強化、ロケットや人工衛星開発に対する市民の理解促進に努める。産業を担う若手人材の育成にも取り組む。実用化に向けては市内の福島ロボットテストフィールドなどを活用する。市は同社に市内企業を紹介する。実験環境を提供するなどして研究開発を後押しする。

 同社は2013(平成25)年1月、「ホリエモン」こと実業家の堀江貴文さんらが設立。2019年5月に民間主導で開発したロケットの宇宙空間への打ち上げに国内で初めて成功した。昨年7月に市内に進出し、同12月に市産業創造センターに福島支社を開設した。

 協定締結式はオンラインで行われ、稲川貴大社長と門馬和夫市長が協定書を交わした。稲川社長は「高い技術を持つ企業などの協力を得ながら開発を進める」と語った。門馬市長は「地域全体でロケット開発がしやすい環境を整え、航空宇宙産業の振興につなげたい」と述べた。

 

門馬市長と協定書を交わす稲川社長(左)

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