高月育英会50年の歴史に幕 磐城高卒業生らに大学受験の学習指導 福島県いわき市

 

多くの磐城高卒業生が通った高月育英会の講習会場

 

2022/04/04 09:40

 

 磐城高卒業生らに大学受験の学習を指導してきた福島県いわき市の高月育英会は、3月31日に解散した。地域の”予備校”として受験生の夢をかなえる後押しを約50年にわたり続けた。関係者から惜しむ声が上がった。

 いわき市では予備校が不足していたため1958(昭和33)年から、磐城高の教員が卒業生に受験勉強を教える講習が同校敷地内で始まった。

 専従の講師を雇い、効率的な指導ができるよう高月育英会が1973(昭和48)年に誕生。2階建ての講習会場を磐城高隣接地に建設し、他校の卒業生も受け入れる全日制の授業を開始した。最盛期には年間300人以上が受講した。

 しかし首都圏などに全寮制予備校が進出するにつれ、講習会の受講生は減少。近年は十数人になり、2020(令和2)年度に生徒募集を停止し、講習会場を昨年12月までに取り壊した。

 高月育英会理事長の阿部弘行さん(61)=阿部商事社長=は青春の思い出の施設がなくなり、寂しさを感じている。磐城高卒業後の1979年春から1年間、講習会に通った。「受講生は磐城高出身が多く、磐城高4年生と言われていた。多くの仲間と集中して勉強できる素晴らしい環境だった」と振り返った。

 

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