山木屋公民館の歩みをまとめた冊子を手にする広野さん

2022/06/06 18:00

　今年３月末で福島県川俣町の山木屋公民館長を退任した広野隆俊さん（７８）は、公民館の歴史や地区行事などをまとめた冊子「山木屋公民館のあゆみ～昭和・平成・令和　時代を越えて７５年～」を作成した。

　２０１０（平成２２）年４月に８代目館長に就き、１２年にわたり務めた。東京電力福島第一原発事故に伴う避難などで地区住民が散り散りになり、公民館活動が十分にできず苦労した時期もあったという。現在も多くの住民が避難しており、帰還者の高齢化も進む。こうした状況を踏まえ、古里の歩みを残す決意をした。

　冊子は公民館の沿革をはじめ、歴代館長の横顔、大運動会、夏祭り、講演会などの写真をふんだんに使い紹介している。Ａ４判、全５６ページで約１５０冊を発行し、町内の関係機関に配った。「山木屋の歴史を振り返る際に、この冊子が役立ってくれればうれしい」と話している。

　冊子は町内の各公民館で閲覧できる。