東日本最大規模の陸上養殖施設、福島県浪江町に建設へ 日揮とかもめミライ水産

 

協定を結んだ(左から)臼井社長、吉田町長、山田社長執行役員

 

2022/10/05 09:28

 

 福島県浪江町北産業団地でサバの陸上養殖に乗り出すプラント大手の日揮(横浜市)と、かもめミライ水産(福島県浪江町)は団地内にサバの養殖では東日本最大規模となる完全閉鎖循環式の養殖施設「陸上養殖イノベーションセンター」を建設する。来年1月に着工し、2027(令和9)年までに年間60トンの生産を見込む。

 養殖施設は鉄骨造り平屋のプラント2棟に、水量30トン規模の水槽を計14基備える。簡易的な加工場も置く。敷地面積は約5千平方メートル。完全閉鎖循環式は海水を使わずに水道水を用いる。塩分濃度を調整できるため、高い安全性や安定的な生産を保てるのが特徴だ。総事業費は約15億円。

 2024年2月から稚魚を搬入して生産を開始する予定。生食ができるように育てる。地元から従業員5人の雇用を計画している。

 日揮とかもめミライ水産は4日、町と施設立地に関する基本協定を結んだ。日揮の山田昇司社長執行役員は「養殖技術を確立して国内外に発信したい」、かもめミライ水産の臼井弘行社長は「おいしい魚をつくり、将来的には新しい魚種にも挑戦する」と決意した。吉田栄光町長は「新しい町の特産品にし、食の復興につなげたい」と話した。

 

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