震災と原発事故の被災者が体験を語り合う 福島県南相馬市で「市民が語る3・11」

 

請戸や震災の思い出を語る横山さん

 

2022/10/23 21:09

 

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災者が体験を語り合う「おらもしゃべってみっが~市民が語る3・11~」は23日、福島県南相馬市健康福祉センターで開かれた。参加者は市内や浪江町の被災者の話を聞き、思いを共有した。

 相馬地方の医師らでつくる震災ストレス研究会の主催。南相馬市の市民団体「まなびあい南相馬」の高橋美加子代表、浪江町生まれの文筆朗読家の井上美和子さん、東日本大震災・原子力災害伝承館職員の横山和佳奈さんが登壇した。

 請戸小6年生の時に被災した横山さんは、震災から4カ月後に避難先で再開した「請戸の田植踊」の練習に参加、「当時はばらばらだった友達に再会できるのが楽しみだった」と振り返った。伝統を継承する誇りとともに、周囲の期待が重圧に感じる悩みも打ち明けた。

 参加者は3人の話に耳を傾け、自らの体験に重ねていた。震災ストレス研究会代表で精神科医の蟻塚亮二さんは「誰にも話せないようなつらい記憶を、自分一人だけでないと感じることで、ストレス解消につなげてほしい」と話している。

 

関連記事

ページ上部へ戻る